アイスランドの町、火山噴火に備え水で溶岩を冷ます作戦を検討

溶岩に水掛けて町を保護、アイスランド当局が検討(AFP=時事) - Yahoo!ニュース

こんにちは。今日は、アイスランドで火山噴火の危機に直面している町の話をしようと思います。その町とは、グリンダビクという名前の漁業の町です。グリンダビクは、レイキャネース半島の南部に位置し、人口は約4000人です。近くには、半島全体の住民3万人に電気と水を供給するスバルツェンギ地熱発電所や貯水池があります。

グリンダビクでは、今年の2月から地下でマグマが広がり始め、数百回の地震が発生しました。地震の規模は小さいものが多かったのですが、今月11日にはマグニチュード5.2の地震が起き、火山噴火の可能性があるとして、住民に避難指示が出されました。避難所には、約1000人の住民が避難しましたが、その中にはペットや家畜を心配する人もいました。

アイスランド当局は、噴火に備えて、水を使って溶岩を食い止めることを検討しています。この方法は、1973年にヘイマエイ島で地面が裂け、溶岩が流出した際に実行されたことがあります。当時、溶岩が町の中心部からわずか150メートル離れた場所で噴出し、町を飲み込む危機に陥りました。しかし、消防隊や住民が大量の水を注いで溶岩を冷やし、流れを制御することに成功しました。その結果、町の大部分は救われ、港の防波堤も強化されました。

しかし、この方法にはリスクもあります。水と溶岩が接触すると、水蒸気爆発が起きる可能性があります。また、水が溶岩に浸透すると、溶岩の温度が上昇し、噴火の勢いが増すこともあります。さらに、水を大量に使うと、水源の枯渇や水質の悪化などの環境問題も発生するかもしれません。

そんな中、嬉しいニュースが入りました。気象当局は、マグマの流れや地震活動が減っていることから、噴火の可能性は低いと発表しました。非常事態宣言を解除し、近日中にグリンダビク住民に自宅への一時帰還を認めるとしています。住民は、自宅の状況を確認したり、ペットや家畜の世話をしたりすることができます。ただし、噴火の危険性は完全には消えていないので、注意喚起や避難準備は引き続き必要です。

アイスランドは、世界で最も火山活動が活発な国の一つです。約130の火山があり、そのうち30の火山が過去1000年以内に噴火しています。火山は、アイスランドの自然や文化に大きな影響を与えてきました。火山は、地熱エネルギーや温泉などの恵みをもたらしますが、同時に、噴煙や溶岩などの災害をもたらすこともあります。火山と人間の共存は、アイスランドの歴史や伝統の一部です。